『サードアイ』なんか見たことがあるような演出と展開で盛り上がるインドネシア産ホラー(Netflixオリジナル作品)
『The Eye』を彷彿させる、見えちゃいけないものが見えちゃう系の話をベースに、『エクソシスト』『死霊のはらわた』『シックス・センス』な要素も取り込んだ美味しいとこがテンコ盛りなインドネシア産ホラー映画。
あらすじ
「死んだ人が見える」と言う妹とともに、霊能者に会いに行く姉アリア。最初は半信半疑だった姉にも、生まれ育った家に潜む邪悪な霊が見え始め…。(Netflixより引用)
みどころ
- 女優ってすごいな
- アジア特有の生々しさと粗いCGの逆効果
- なんか観たことがある演出と展開
女優ってすごいな
サードアイと呼ばれる第三の目を覚醒させる事で、現世に彷徨う霊が見えるようになってしまう。元々サードアイが覚醒していた妹が霊に悩まされていたため、アリア姉さんも霊能者に頼んで覚醒してしまったものだがら、病院で彷徨う霊たちに追いかけられたり、取り憑かれたり大変な目に。その時の豹変ぶりがすごい。さっきまで知的なお姉さんを演じていたのに『死霊のはらわた』のシェリー顔負けの取り憑かれ具合で盛り上がります。
アジア特有の生々しさと粗いCGの逆効果
ゴア度はそれ程高くないですが、インドネシア産と言うことで、出演しているのは我々と同じアジア人です。そのため、足をちょん切るシーンとか西洋映画より生々しさが強調される印象はあります。アリアの家に住みついている家族の霊も怖い。暗闇で目が光っちゃう!Jホラーなどにありがちな四つん這いで追いかけてくる演出も、やっぱり怖くて盛り上がります。
あと、狙ったのか、たまたまなのか分かりませんが、雑なCGが逆に幽霊のいびつさを強調していて、個人的にはアリだなと思いました。
なんか観たことがある演出と展開
見えちゃいけないものが見えちゃうって話でずっと行くのかと思っていたのですが、中盤から、これって『エクソシスト』だよね、とか『死霊のはらわた』じゃんとか、『シックス・センス』と同じこと言ってるな、というシーンがちらほらあって、個人的には楽しめました。アリアの彼氏もどこかで見たことがあると思っていたら、大澄賢也に似ていました。
関連動画
予告編
作品情報
- 原題:The 3rd Eye
- 公開:2018年
- 監督:ロッキー・ソロヤ
- キャスト:ジェシカ・ミラ、デニー・スマルゴ、チトラ・プリマ、ビアンカ・ヘロ、エピ・クスナンダル、アニタ・ハラ、デリー・ダラジャット、フォク・ヴィクトリア
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『カーゴ』マーティン・フリーマン主演、叙情派ゾンビ映画の傑作
今週のお題「最近おいしかったもの」
幼い娘を残し、あと48時間でゾンビウイルスが発病してしまう父親。死にゆく自分と、幼い我が子に対する親としての責任を果たそうとする姿を描いたロードムービー。名優マーティン・フリーマンの寡黙な演技も光るドラマ性の高いゾンビ映画。
あらすじ
感染するとゾンビになってしまう世界で、夫のアンディと妻のケイ、そしてまだ1歳の娘ロージー。彼らはハウスボートの上で安全に暮らしていたが、ケイが感染者に襲われゾンビ化し、死に至ってしまう。同じくアンディも感染してしまい、発病までに残された時間は48時間。幼い娘を託す誰かを求め、荒野を歩き続ける。
見どころ
- 静かな余韻が残るドラマ性の高いゾンビ映画
- 各々の家族愛
- オリジナルの短編も侮れない
静かな余韻が残るドラマ性の高いゾンビ映画
ゾンビ・ウイルスが満映する世紀末が舞台ですが、ゾンビ自体はあまり出てこないですし、全編にわたって静かな映画です。なので、ゾンビがワサワサ出てきて大騒ぎな展開を期待している方には向かないかもしれません。娘との別れを目前にし、自分の親としての責務を全うしようとする、ひたむきなアンディの姿に心を打たれます。子供持つ方なら、きっと自分に投影して考えてしまうことでしょう。私もそうでした。
各々の家族愛
本作ではアンディの他に、トゥーミーというアボリジニの女の子が登場します。発病してしまった彼女の父親を排除しようとする部族から守るため、父親を隠しています。そして母親との確執。アンディと並行して、また違った家族愛の形が描かれています。
オリジナルの短編も侮れない
本作には2013年に公開された短編があり、それを映画化したもののようです。こちらは7分ほどの作品ですが、これだけでも泣けます。
関連動画
予告編
オリジナルの短編作品
作品情報
- 原題:Cargo
- 公開: 2018年
- 監督:Ben Howling、Yolanda Ramke
- キャスト:Martin Freeman、Anthony Hayes、Caren Pistorius、etc
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『ターボキッド』80年代映画ラヴァーによる愛すべきオマージュ作品
カナダの新鋭ディレクターチームRKSSによる『マッドマックス』『ネバーエンディング・ストーリー』『グーニーズ』『E.T.』などの80'sクラシックから、『ブレインデッド』『ゾンビランド』『キック・アス』などのSF・ホラー・アクション映画を彷彿させるネオ80'sの傑作。
あらすじ
核戦争で文明が崩壊、あらゆるものが汚染された1997年、水をめぐって争う猛者たちの巣食う荒涼とした野蛮地帯でキッドはBMXにまたがり、コミック「ターボライダー」を人生のバイブルとして一人でなんとか生きのびていた。そんなある日謎の少女アップルと出会い彼女に惹かれていくが、水を牛耳る極悪首領ゼウスによって彼女が誘拐された!キッドは彼女を取り戻すため、正義の鉄槌をゼウスに下すため、ターボライダースーツに身を包み、敵のアジトに乗り込むべくペダルを踏み込む―。(メーカーページより引用)
見どころ
- 当時を生きた世代には胸アツな80年代へのオマージュ作品
- 全編に響き渡るエレクトリックサウンド
- 血糊の量に比例する、最高にロマンチックなラブストーリー
当時を生きた世代には胸アツな80年代へのオマージュ作品
アナログ感満載の爆発と大量の血糊、どこかで見たことがあるような時代設定。アーケードゲームを連想させる黒バックに輝くメタリックなタイトルのロゴデザイン。どこを切っても80年代臭がプンプン立ち込めていて、当時をリアルタイムに体感した世代には全てがしっくりくる作品です。80年代映画のアイコンとも言うべきBMXも、ガソリンが希少な時代のため、実は合理的な移動手段だったりします。パクリではなく愛ゆえのオマージュということは、観る人が観れば感じてもらえるはず。
全編に響き渡るエレクトリックサウンド
アナログシンセを使った近未来的、かつロマンチックなサウンドは、カナダのアーティスト、Le Matosによるもの。ジョン・カーペンター作品を彷彿させる印象的なリフレイン、リマールの「ネバーエンディング・ストーリー」のきらびやかな雰囲気も感じさせ、作品を盛り立てています。序盤の産業ハードロック的な曲(誰の曲かは知らない)のチョイスもニヤリとしてしまいます。サントラも発売されていています。ジャケが最高すぎたの私はアナログ盤で購入しました。
血糊の量に比例する、最高にロマンチックなラブストーリー
内臓ゲロゲロのバイオレンス描写に相反したロマンチックな展開も本作のハイライト。やや奇天烈な登場の仕方のヒロイン、アップルですが、主人公キッドにとって徐々に大切な存在になっていき、本編後半からは意外な展開へ。ネタバレになるので書きませんが、ラストシーンはグロとロマンチシズムが見事に融合した名シーンです。
関連動画
作品情報
- 原題:Turbo Kid
- 初公開: 2015年 (カナダ)
- 監督:Anouk Whissell、François Simard、Yoann-Karl Whissell
- キャスト:Munro Chambers、Laurence Leboeuf、Michael Ironside、Edwin Wright、etc
- 発売日: 2017/03/09
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