『ターボキッド』80年代映画ラヴァーによる愛すべきオマージュ作品
カナダの新鋭ディレクターチームRKSSによる『マッドマックス』『ネバーエンディング・ストーリー』『グーニーズ』『E.T.』などの80'sクラシックから、『ブレインデッド』『ゾンビランド』『キック・アス』などのSF・ホラー・アクション映画を彷彿させるネオ80'sの傑作。
あらすじ
核戦争で文明が崩壊、あらゆるものが汚染された1997年、水をめぐって争う猛者たちの巣食う荒涼とした野蛮地帯でキッドはBMXにまたがり、コミック「ターボライダー」を人生のバイブルとして一人でなんとか生きのびていた。そんなある日謎の少女アップルと出会い彼女に惹かれていくが、水を牛耳る極悪首領ゼウスによって彼女が誘拐された!キッドは彼女を取り戻すため、正義の鉄槌をゼウスに下すため、ターボライダースーツに身を包み、敵のアジトに乗り込むべくペダルを踏み込む―。(メーカーページより引用)
見どころ
- 当時を生きた世代には胸アツな80年代へのオマージュ作品
- 全編に響き渡るエレクトリックサウンド
- 血糊の量に比例する、最高にロマンチックなラブストーリー
当時を生きた世代には胸アツな80年代へのオマージュ作品
アナログ感満載の爆発と大量の血糊、どこかで見たことがあるような時代設定。アーケードゲームを連想させる黒バックに輝くメタリックなタイトルのロゴデザイン。どこを切っても80年代臭がプンプン立ち込めていて、当時をリアルタイムに体感した世代には全てがしっくりくる作品です。80年代映画のアイコンとも言うべきBMXも、ガソリンが希少な時代のため、実は合理的な移動手段だったりします。パクリではなく愛ゆえのオマージュということは、観る人が観れば感じてもらえるはず。
全編に響き渡るエレクトリックサウンド
アナログシンセを使った近未来的、かつロマンチックなサウンドは、カナダのアーティスト、Le Matosによるもの。ジョン・カーペンター作品を彷彿させる印象的なリフレイン、リマールの「ネバーエンディング・ストーリー」のきらびやかな雰囲気も感じさせ、作品を盛り立てています。序盤の産業ハードロック的な曲(誰の曲かは知らない)のチョイスもニヤリとしてしまいます。サントラも発売されていています。ジャケが最高すぎたの私はアナログ盤で購入しました。
血糊の量に比例する、最高にロマンチックなラブストーリー
内臓ゲロゲロのバイオレンス描写に相反したロマンチックな展開も本作のハイライト。やや奇天烈な登場の仕方のヒロイン、アップルですが、主人公キッドにとって徐々に大切な存在になっていき、本編後半からは意外な展開へ。ネタバレになるので書きませんが、ラストシーンはグロとロマンチシズムが見事に融合した名シーンです。
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作品情報
- 原題:Turbo Kid
- 初公開: 2015年 (カナダ)
- 監督:Anouk Whissell、François Simard、Yoann-Karl Whissell
- キャスト:Munro Chambers、Laurence Leboeuf、Michael Ironside、Edwin Wright、etc
- 発売日: 2017/03/09
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